impatient


イライラする。
目の前の小さな頭を殴りつけて、怒鳴ってやりたい衝動に駆られた。
けれどソレをグッとこらえる。
そんな事をしたらさらに小さくなって、さらにこっちの話なんか聞きやしなくなる。
なんてやっかいなんだ。
思わず出たため息にも、目の前の小さな体はビクリと震えた。
小さな奇声たちが、こいつの今の心境を物語っていた。
他人に対して敏感すぎだ。

「…ほら、立てよ」

とりあえず、立たせようとして腕をひっぱれば激しく首が振られる。
あんな細い体のどこにそんな力があるのかというくらいそれは力強い。
その力強さが、前向きに使われりゃこんな苦労をしなくてもいいのにと思う。

「立てって。怒ってねぇよ」

だけれども、あいつはブンブンと激しく首を振るだけだ。
しゃがみこみさらにコンパクトな体がさらに縮こまってしまっている。
薄い体。
小さい頭。
細い首。
バカな考えだけれど、千切れないか少しだけ心配になった。
小さなことでまた怒鳴ってしまった。
こいつの態度が俺をイラつかせる。
イライライライラ。
けれども、それを沈めるのもこいつ。
大きな目が見開かれて、零れそうな涙を見たとき。
罪悪感とまたやっちまったって後悔。
そして…

いくつか声をかけてやれば、俺の思惑に乗ってだんだん強張りが取れてくる。

正直な体。
先程泳いでいた目はしっかりと俺を見据えて、そうして笑う。
満面の笑顔。
こいつって子供なんだって、思う。
子供だから大人の言う事は絶対で大人の対応一つで敏感に反応する。
嫌われたくないから一生懸命。
そして、子供だから表情を偽る事はない。

悲しければ、すぐ泣く。
力の加減なんかしないで、物事に取り組む。
怒られれば、際限なく落ち込む。
ほめてやれば、理解しようとしてやれば…。

満面の笑顔。

小さい小さい子供なんだこいつは。
だから…。
まだこんな感情はこいつには早いんだろう。

だからまずは『親』でいい。
とりあえずはこのポディションでいい。
一番の信頼を置く、その位置を俺にすれば満足してやる。

だから、その一番の笑顔を作らせてやれる事ができるのが誰だかちゃんと教え込んでやる。
イライラさせてもいい。
その後怒るかもしれないけれど、ちゃんとお前を笑顔にもどしてやるんだ。

だから、今は…。

今は。




END


初「おお振り」SS。
『親』とか言っちゃってますが…。
なんだかおかしなところにいっちゃってマス。
あたしの中のレンレンは、内気なちっちゃい子なイメージなのです。
ひさっっびさの版権なので結構やりにくい・・・。
















































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